何歳までバイクに乗りますか
一昨日夜の豪雨から、朝晩の暑さが少しやわらぎ、寝やすいですね。
昨晩、お腹出して寝てたみたいで今日はチョットお腹の具合が悪い、店長@早瀬です。
いつも大変お世話になっております。
と、いうことで先日・・・
毎度ごひいき頂いているお客様(以下Aさん)がご来店になりまして。
「店長、いろいろと今までこのバイク面倒見てもらったんだけど、売ったら幾らになるかな」
私は驚きです。
「え!?何で、ですかぁ・・・?」
Aさんは語る。
「もう私も歳をとって70歳。最近体力が落ちてきて、大型バイクに乗るのがチョット気が引けるようになってね。あと家族皆から「もう危ないからバイクは降りたら」と、ここ最近良く言われるんですよ。今月で車検も切れるし、この際良い機会かなと思ってね。私自身は、もうちょっと乗りたい気持ちはあるんだけどねェ、ここいらが潮時かな」
Aさんの表情は、どこと無く寂しそう。
店長@早瀬は胸が痛くなる思いです。
バイクに乗れるご年齢から今日まで、Aさんは人生のほとんどをバイクという相棒と共に歩んで来たのです。そんなAさんの心境は、計り知れない寂しさで満ち溢れているに違いない。
誰しもが迎える バイクを下りる日。 しかしそれを胸に秘め、バイクに乗っているライダーは限りなく少ないはずである。
「Aさん。何とかもう少しだけお乗り頂くことは難しいでしょうか。大変に不躾な言動になりますが、お許し下さい。今下りたら多分、一生バイクに乗る事が出来なくなる気が致します。そのお歳で、少々心配な事を抱えながらも堂々と大型バイクに乗っていらっしゃる・・・そんなAさんのような方には是非、バイクに乗り続けて頂きたいんです。
「はいわかりました」と今ここで買取をしてしまっては、私がAさんの今日までのバイクライフに、終止符を打つ事になってしまいます。
70歳でバイクに乗れる幸せを、大切にして頂きたいんです。
釈迦に説法かと存じますが、今までバイクと全く縁の無い、Aさんと同年齢の方がこれからバイクに乗りたいと思っても、真似なんかできやしません。しようったって、体力的に無理なんですよ。乗り続けてきたからこそ、そのお歳で大型バイクを操れる訳です。
Aさんが本当に下りたいと言われるのなら、いた仕方ありません。しかし、いみじくもAさんは先程、囁かれましたよね「もうちょっと乗りたい気持ちはあるんだけどねェ」と。心の中では、本当は下りたくないというお気持ちが強いんじゃないでしょうか?
ね!・・・ Aさん・・・ 乗りましょうよ、バイク。 本当に乗れなくなるまで乗りましょうよ。
ご家族の反対、それも痛い程良くわかります。しかし今下りたら、毎日毎日バイクの事ばかり考えて、寂しい思いをするだけじゃないですか」
わたくし店長@早瀬は、久々真剣に語ってしまいました。絶対にバイクから下ろしてはいけない、乗り続けて頂きたい、と心から思った瞬間でした。
「しかし、いつかは下りなければならない時が来るかもしれません。その時は私が大きな笑顔で、このバイクを買取致します!!」
「マイッタナー・・・また店長に上手いこと、やられちゃいそうだなぁ」
Aさんの顔に苦笑とも半笑いとも取れそうな、嬉しそうな薄っすら笑顔が浮かぶ。
「カミさんになんて言うかなー、こりゃ小言の一言二言じゃ済まなさそうだぜ」
「僕を悪者にして、かまいませんので」
「店長はもう、とっくに悪者だよ。このバイク買ったときに、すでに悪者、大悪人!」
「ハッ ハッ ハッ ハッ ハ !」
二人は声を揃え、大笑いです。
数日後
車検が終了し、お引渡し時・・・
「いろいろあったけど、乗る事に決めて良かった。もう少し気合を入れて乗ってみる事にするよ」
「奥さん、どうでした?」
「勝手にすればっ!だって、呆れられたけど、大丈夫だよ。それより、また何かあったら面倒見てよ、わがまま言えるの店長だけなんだから。じゃあまた来ます!お世話様」
勢いよく加速をしていくバイク音。
とても70歳台のライダーとは思えぬエキゾースト・ノートである。